時間をかけて良さを味わうブルゴーニュワイン
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お金がかかる高貴なお嬢様風ワイン
ブルゴーニュのワインは、おもしろいほど、人により好みがハッキリ分かれます。ブルゴーニュワインの魅力は、なんといってもエレガントな酸味と高貴な香り。でも上手な造り手の保存状態が良いワインを選ばないと、酸っぱいだけで薄っぺらな味の、発酵したお醤油みたいなにおいのするワインに当たってしまうのです。
そして残念なことに、そんなハズレワインがブルゴーニュで造られるワインの大部分を占めています。それなのに、そこそこ美味しいチリワインの何倍もの値段がするのですから、敬遠する人が多いのも納得ですよね。
にも関わらず、なぜブルゴーニュワインが不動の人気を誇るのか。それは、そのわずかな「アタリ」がとんでもなく素晴らしいからだといわれています。ただし、ブルゴーニュのアタリワインは味わいも香りも繊細で複雑で、素直に「おいしい!」と思えるシンプルさはありません。入門者から取っつき難いと思われてしまう所以です。
酸味、香り、ミネラル、のブルゴーニュ
ブルゴーニュ地方はフランス東部に位置します。北はオーセールから南はリヨンまで続く直線距離で約300kmにまたがる地域で、ボルドー地方と並ぶワイン界のプリンス・プリンセスです。ブルゴーニュには、辛口白ワインの代名詞「シャブリ」やヌーヴォで有名な「ボージョレ」も含まれていますが、主役はグランクリュ(特級ワイン)が集中する「黄金丘陵(コート・ドール)」のワインたちですね。
コート・ドールのワインで有名なAOC(村名)は、白なら「ピュリニィ・モンラッシェ」「シャサーニュ・モンラッシェ」「ムルソー」の3つが挙げられます。二つのモンラッシェは強靱な酸味と豊富なミネラルが特徴のキリリとしたワインで、ムルソーは果実味の厚いふくよかなワインです。
赤ワインでは、力強い味わいが特徴の「ジュヴレ・シャンベルタン」、繊細で女性的な「シャンボール・ミュジニー」、バラの花のように薫り高い「ヴォーヌ・ロマネ」。個性が異なりますがどれもブルゴーニュらしい味わいです。赤と白、両方の特級畑を持つ「アロース・コルトン」も人気です。白ワインはシャルドネ100%、赤ワインはピノ・ノワール100%で造らなければなりません。
私自身はブルゴーニュのワインを好んで飲まないのですが、ピノ&シャルドネ好きのダンナさんのおかげで有名どころを飲ませてもらった結果、何本かは素晴らしく美味しいボトルに当たりました。でもこれらの数本は、その倍の数の「ちょっといただけない…」ブルゴーニュワインを飲んだ上での「アタリ」です。
あなたが飲んだブルゴーニュワインが、もし期待外れだったとしても、「ブルゴーニュワインはマズイ!キライ!」と決めつけないでください。当たる確率の方が断然低いのですから。
生産者から選んでみる。ブルゴーニュワインの始め方
とはいえ、「限られた時間と予算で美味しいブルゴーニュワインに巡り会いたい!」と、もっともなことを考えるWineLover入門者の方へ。ブルゴーニュワインの選び方には、AOC(畑・村・地域)から選ぶ方法と生産者から選ぶ方法がありますが、どちらかというと後者の方がアタリにたどり着く可能性が高いのではないかな…と思います。
比較的リーズナブルな価格で購入できる優良生産者としておススメできるのは、「ルイ・ジャド」、「ルロワ」、「ルフレーブ」、「フィリップ・パカレ」、「ブシャール」。これらはブルゴーニュにさほど詳しくないpino-pinoでも、飲んだことがある有名な生産者たちです。
そしてブルゴーニュが大好きなダンナさんからの推薦は、「デュジャック」、「アルマン・ルソー」、「コシュ・デリ」、「クロード・デュガ」、「デュガ・ピイ」、「プリューレ・ロック」、「ルーミエ」など(名前を挙げ出すとキリがない)でした。ただし、一番格下の地域名ワイン(ACブルゴーニュ)でも5千円以上しますから驚かないでくださいね!
ブルゴーニュには、海外で活躍する日本人醸造家のパイオニア・仲田晃司さんがいらっしゃいます。仲田さんが造る「天・地・人」シリーズも一度飲んでみる価値がありますよ。