地道で真面目なドイツワイン 2012年、ドイツにも原産地による格付け制度が導入されました。ドイツワインといえばやや甘口のリースリングが主流でしたが、辛口の白ワインや赤ワインを造る生産者も増えています。

地道で真面目なドイツワイン

  1. writer :pino-pino
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ブドウの甘さ=最上の格付けだった時代。

知人から旅行のお土産に有名な菓子屋の落雁をいただきました。むかしお殿様にも献上していたというその落雁は、美しいデザインのほのかな甘みの上品なお菓子でした。でも、ケーキやチョコレートの刺激的な甘さに慣れているpino-pinoは、「ぼんやりとした甘さだなあ」と、頂き物なのに失礼にもそんな風に感じてしまいました。

砂糖が貴重だった時代は、お殿様でも落雁くらいの甘さしか口にできなかったんだ…、と落雁を食べながら、なんとなくドイツワインのことを思いました。

ドイツのワイン法は異色です。原産地による格付けの上位に、ブドウ果汁の糖度による格付けあります。糖度の順に、カビネット、シュペートレーゼ、アウスレー、アイスバインとランクが上がります。

これにはドイツの地理や気候に関係しています。北海道より高い緯度にあるドイツはブドウ栽培の最北限地。かつてのドイツでは、気候が悪いとブドウが熟さず酸っぱいワインしかできなかったのです。昔のドイツ人にとって、ブドウが熟しワインが甘くなるということは、現代の私たちが想像できないほど貴重なことだったのです。

そんな背景から、「甘いワインを造ることができる畑が最上の格付け」という考え方をもとに、ドイツのワイン法は制定されました。これはドイツの気候を考えれば理解できることですが、いまのワイン業界のルールとして適当かというと話は別になります。

温暖化が進み、緯度の高いドイツでもブドウが容易に完熟するようになりました。すると、どのワインも糖度の基準を満たしてしまい、格付けが意味をなさなくなったのです。他方で世界的に辛口ワインが主流となり、残念なことにドイツワインは、素人向けの甘いワインというレッテルが貼られてしまったのです。

甘さから畑の格付けへ。
ドイツワイン法の大変革。

ドイツワインの生産者は、消費者のドイツワイン離れを傍観していたわけではありません。業界団体が畑による格付けを独自に行ったり、辛口ワインを優位とする新たなルールを作ったりしましたが、あくまで業界ルールだったので正式なワイン法との関係が紛らわしく、ドイツ以外では不評でした。

EU諸国からの要請もあり、2012年にようやく原産地呼称によるワイン制度を導入しました。フランスのブルゴーニュと同様に地域、村、畑で格付けされるようになりましたが、カビネットやシュペートレーゼのような従来の等級も併記できます。

ワインの流行に合わせ、
味も法律も路線変更中です。

伝統的なドイツワインといえばリースリングです。ほのかな甘みと心地よい酸味の白ワイン。ちょっと疲れた日の夜、眠る前にグラス1杯のリースリングをグラスに注ぐと、蜂蜜のような香りに癒されます。厳しい気候にも負けずに急斜面の畑を開墾して、ようやく甘味を手に入れることができた生産者の努力には、敬意を表さずにはいられません。

しかし辛口が主流となった現代において、甘口で対抗するには限界があります。ドイツの生産者は白の辛口を造ったり、ピノ・ノワールなどの赤ワインの生産に転向したりしています。真面目なドイツ人はそのどちらにも地道に成功し、新たなドイツワインの魅力を世界に示しています。

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